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シルル紀 Silurian Period
約4億4,380万年前 - 4億1,920万年前。
シルル紀は、オルドビス紀と同じように、ウェールズのケルト部族に因んで名づけられた。
ゴンドワナ大陸は南半球の大半を覆い,北アメリカや北・西ヨーロッパを形成することになる他の陸塊が互いに接近し続ける。ローレンシア(Laurentia、北アメリカとグリーンランド)、バルティカ(Baltica、中央ヨーロッパ、西ヨーロッパ、スカンジナビア)、アヴァロニア(Avalonia、西ヨーロッパ)と呼ばれる大陸の間は次第に閉じ、デボン紀にはユーラメリカ大陸となる。すなわち、カレドニア造山運動が進行していった。また,ゴンドワナは依然南極に位置していたが、氷河は大半が解け海水面が上昇し,浅海や内海が形成された。このことで,生物にとって新たなニッチが開けていった。シルル紀は、全体を通して穏やかな気候が続いた時代でもある。
浅海には初めて珊瑚礁が形成され,軟体動物や無顎類(ケファラスピスなど)の他、棘魚類(クリマティウス)など顎を持った魚類も出現した。また、淡水に進出する魚類も存在した。海洋における捕食者の頂点には、ウミサソリ(エウリプテルスプテリゴトゥスなど)が存在していた。
一方で,生物の陸上への進出が進んでいった時代でもある。原始的な植物と、それに続く小型の無脊椎動物は、大気から酸素を直接獲得する方法を発明した。
最初は、効率的な水や栄養素の吸収・輸送のできる維管束を持たず、葉もない植物であった。シルル紀末かデボン紀初めには維管束が発明されることになるが、これは陸上生態系にとって大きな革新となった。
植物に続いて,原始的なムカデの仲間やクモ類の祖先など節足動物が最初の陸上進出者となり,陸上での食物網が形成されていった。
穏やかな時代ではあったが、気候変動もなかったわけではなく、小規模の絶滅も見られた。
参考文献・サイト:
  1. National Geographics
  2. Pappas S (2013) Paleozoic Era: Facts & Information Live Sience June 20, 2013
  3. Smithsonian Environmental Research Center Forces of Change - Atmosphere -
  4. UCMP - University of California Museum of Paleontolgy - (Legacy Exhibits Online, Tour of Geologic TIme)
  5. International Commission on Stratigraphy - International Chronostratigraphic Chart v 2023/06.
ケファラスピス
ケファラスピス
Cephalaspis lyelli
クリマティウス
クリマティウス
Climatius reticulatus
エンテログナトゥス
エンテログナトゥス
Entelognathus primordialis
エウリプテルス
エウリプテルス
Eurypterus remipes
プテリゴトゥス
プテリゴトゥス
Pterygotus anglicus
三葉虫
三葉虫
Tilobite