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プテリゴトゥス(テリゴトゥス,ウミサソリ) Pterygotus sp.
プテリゴトゥス
プテリゴトゥスは、「ウミサソリ」として知られる広翼目(ウミサソリ目」に分類される絶滅した属の1つである。ウミサソリは、シルル紀からデボン紀に繁栄した 3)。ウミサソリ類の大半のグループは、恐らくオルドビス紀中期には存在しており、ほどなく急速に多様化したか、あるいは初期グループの出現はカンブリア紀まで遡るかもしれないという 3)
ウミサソリ類は巨大であることが知られているが、実際、プテリゴトゥス類はこれまで存在してた節足動物の中でも最大で、約2.5mの体長を持つ 2), 3)
プテリゴトゥス
プテリゴトゥスは6対の前胸部(頭部と胸部)付属肢を持ち、第I肢は鋏角、第IIから第IVは摂食または歩行用、第V肢は歩行用で、第VI肢はパドル状に変化していて遊泳に適した形状をしている 1), 3)。プテリゴトゥスは大きな海を渡る能力があったかもしれず、外洋まで回遊していた唯一のグループかもしれない 6)。プテリゴトゥスの鋏角は大きい。
プテリゴトゥスは古生代中期の主要な捕食者だったが、その鋏角は、つぶすよりは切断や把持に適応しており、彼らは腐食生かつまみ食いのような食べ方をしていたことが示唆される 5)デボン紀初期の海では、プテリゴトゥスも魚類の、とりわけサメ類の餌となっていたかもしれない 5)
プテリゴトゥス
ウミサソリ類は性的二形で、オスが精莢を落とし、メスがそれを拾い、精嚢として保存し、受精・産卵の時期を制御するという配偶行動モデルが考えられている 1)。となると、大きなウミサソリが太古の海岸近くで互いに顔を突き合わせ、ダンスを踊っていたことになる。
配偶行動や、脱皮をウミサソリ類は集団で行っていたのかもしれない。脱皮時に捕食者の攻撃を回避するため、また、配偶行動時に精莢などを乱されないため、流れの少ない浅瀬の沿岸部、潟、河口付近の汽水域などにある特定の期間、集合していたのだろう 1)
おそらく、ウミサソリ類は呼吸器系を二重で、すなわち、水中での呼吸器と補助的な空気中での呼吸器を持っていたと思われる 4)。ある時間、陸上で息ができたかもしれない。
2014年8月 制作
参考文献・サイト:
  1. Braddy SJ, Dunlop JA (1997) The functional morphology of mating in the Silurian eurypterid, Baltoeyrypterus tetragonophthalmus (Fischer, 1839). Zool. J. Linn. Soc. 120(4):435-461.(DOI:10.1111/j.1096-3642.1997.tb01282.x)
  2. Braddy SJ, Poschmann M, Tetlie OE (2007) Giant claw reveals the largest ever arthropod. Biol. Lett. 4:106-109. (DOI:10.1098/rsbl.2007.0491).
  3. Lamsdell JC, Briggs DEG, Liu HP, Witzke BJ, McKay RM (2015) The oldest described eurypterid: a giant Middle Ordovician (Darriwilian) megalograptid from the Winneshiek Lagerstätte of Iowa. BMC Evol Biol 15(169). (DOI:10.1186/s12862-015-0443-9).
  4. Manning PL, Dunlop JA (1995) The respiratory organs of eurypterids Palaeontology 38 : 287-297.
  5. Miller RF (2007) Pterygotus anglicus Agassiz (Chelicerata: Eurypterida) from Atholville, Lower Devonian Campbellton Fromation, New Brunswick, Canada. Palaeontology. 50(4): 981-999.(DOI:10.1111/j.1475-4983.2007.00683.x).
  6. Titlie O (2007) Distribution and dispersal history of Eurypterida (Chelicerata). [abstract] Palaeogeogr. Palaeoclimatol. Palaeoecol.- PALAEOGEOGR PALAEOCLIMATOL. 252:557-574.(DOI:10.1016/j.palaeo.2007.05.011).