遊歩道の足元，他の草に隠れてほとんど見えない。一瞬，薄紫が視野に入った。

葉は３本の葉脈が特徴的だ。紫の細い茎が他の草に絡んでいる。いや，きちんと絡みきれていない。だから足元の草に隠れていたのだ。

これから花は増えるのだろうか。気づかれず踏みつけられはしまいか。知らぬ間に刈られたり手折られたりしないか，しばらくはハラハラ不安な日が続きそうだ。

思いの外，大きな実をつける。しかも真っ赤である。森の風景がどんどん黄色や赤に変わっていく時，足元にも赤を添えてくれる心遣いがうれしい。