三共堤・丸田沢堤の自然
キバナアキギリ Salvia nipponica (シソ科)
キバナアキギリ
シソ科の花は形が似ているが,これは大きい方の花だ。確かにキリの花に似ているかもしれない。学名でわかるように,サルビアの仲間ということになる。
キバナアキギリの全景
しかし,どちらかと言うと,黄色のセンタクバサミが並んだように見える。あるいは,がくと花びらの間が少し空いているので,口から口が飛び出したようなに見える。
葉は根本に近いほうが少し横に出っ張っている。差はあるものの,縁のギザギザ(鋸歯)は幾分丸い。
キバナアキギリの仮の雄しべ
花の口から伸びた紫の糸状の構造は雌しべである。先端が「二枚舌」のように2つに分かれている。中に見える紫色が雄しべ,ではあるが花粉を作らない。2本の先端がつながっている。虫はこれに惹かれるみたいだ。
キバナアキギリの本当の雄しべ
雌しべの根本に紫の構造が見られるが,これが本当の雄しべ。頭を突っ込んだ虫の背に花粉を付け,虫が退却する時に雌しべに花粉を付けてもらう戦略のようだ。
少々面倒なつくりである。