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マーレラ(マルレラ) Marrella splendens
マーレラ #01
マーレラは、カンブリア紀中期バージェス頁岩動物群のメンバーで、節足動物の絶滅属の1つである 1)。2,500以上の標本が収集されており、マーレラはバージェス頁岩動物群としては、最も一般的で数多い海生の節足動物である 1), 5)。マーレラの類縁関係はまだ確定していない 4)
マーレラ #02
マーレラ頭部は、ほぼ体の長さに相当する2対の角状の突起を持ったシールドに覆われている。1対はシールドの側方から出て後方に伸び、もう1対はシールドの後端から二分し後方に伸びている 5)。頭部には長いアンテナ状の付属肢が1対と、先端がパドルないしブラシ状になった1対の付属肢がある。この2番めの付属肢は遊泳に使われたのだろう 2)
胴体は26の体節からなり、それぞれの体節は二叉型の付属肢(biramous appendage)を持つ。外肢(二叉型付属肢の外側)には鰓があり、内肢(内側)のものは歩脚である。後半12体節の内肢は内側に向かって伸び、体の下にネット状、あるいはかご状の構造を作っている 5)
マーレラ #03
体長は5mmから25mmと幅広い。大きくなるほど体節の数も増えていることから、成長・発生に伴って体節数が増えるものと思われる 2)
脱皮最中の化石標本が報告されており、節足動物進化の初期段階ですでに脱皮が行われていたことを確認するものである 1)
マーレラ #04
マーレラ自身は、海底の堆積物などから死骸や有機物を摂取していた、腐食生か濾過食の生活だっと思われる 5)。体後半の付属肢によるネット状構造は、海底の残渣を体後半で受け止めるための機構だったと思われる 5)
マーレラ #05
カンブリア紀は眼が進化した特異な時代であった。そんな時代にあって、マーレラは確かに、アノマロカリスオパビニアなど、眼を持ったその他の節足動物に食べられる側であった 3)。マーレラの玉虫色は、そのような眼を持った捕食者に二の足を踏ませるための警戒色としてはたらいたと思われる 3)
マーレラの外側に伸びた角状の突起表面には回折格子のような構造があり、構造色を示していた可能性がある。マーレラが生息していたと思われる浅海では虹色に、少し深いところでは様々な色を呈していたようだ 3)
マーレラ
口の位置、形状は推測による。節足動物ではヘモシアニンを呼吸色素にしているものも多いことから、マーレラの鰓を、思い切って青色にしてみた。
2016年9月 制作
参考文献・サイト:
  1. García-Bellido DC, Collins, DH (2004) Moulting arthropod caught in the act. Nature 429:40. (DOI:10.1038/429040a.)
  2. García-Bellido DC, Collins, DH (2006) A new study of Marrella splendens (Arthropoda, Marrellomorpha) from the Middle Cambrian Burgess Shale, British Columbia, Canada. [abstract] Can. J. Earth Sci. 43(6): 721-742. (DOI:10.1139/e06-012.)
  3. Parker AR (1998) Colour in Burgess Shale animals and the effect of light on evolution in the Cambrian. Proc. Biol. Sci. 265(1400): 967-972. (DOI:10.1098/rspb.1998.0385.)
  4. Siveter DJ, Fortey RA, Sutton MD, Briggs DEG, Siveter DJ (2007) A Silurian ‘marrellomorph’ arthropod. Proc. R. Soc. B 247:2223-2229. (DOI:10.1098/rspb.2007.0712.)
  5. Royal Ontario Museum. The Burgess Shale, Fossil Gallery