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フルディア Hurdia victoria
フルディア No.1
カンブリア紀中期の、絶滅したアノマロカリス類(放射歯目フルディア科)の属である。体長は、最大でも50cm程度で、多くは20cm程度と思われる。"Hurdia"という属名は、ヨーホー国立公園のHurd山に由来する。種小名の"victoria"も恐らくは同じ公園のVictoria山に由来すると思われる 1)
フルディア No.2
いわゆるアノマロカリスと異なり、体の前半分は2種類の背甲(甲皮)、三角形状のHエレメントと、2枚のゆがんだ四角形状態のPエレメント、で覆われているのが特徴的である。
背甲が重なった部分の隙間から短い柄が出ており、その先に丸い眼がついている 1)
フルディア No.3
背甲の腹側には口がついているが、小片が放射状に配列し、中央の開口部は四角形をしている。口の内部にも歯列が何層か存在している。腹側に長い棘状構造を持つ9つに分節した1対の付属肢が、口の近くから伸びている 1)
フルディア No.4
体後半は、7から9つの体節からなり、側方に向かって鰭状構造が伸び、その背面には鰓と思われる構造が付いている。鰭は、通常の重なりかたとは逆方向に重なっているらしい 1)
フルディア No.5
フルディアは活発な遊泳生物で、付属肢と棘だらけの口で、小型で軟やかな体の動物を餌にしていた可能性がある一方 1)、浮遊生活をしながら濾過食生活をしていた可能性もある 2)。いずれにせよ、背甲の役割は不明のままである。
新しい研究では、鰭状構造は背側、腹側独立して存在し、背側の背面に、アノマロカリス類でよく見られるsetal blade(櫛状の構造)と呼ばれる鰓の機能を持っていると思われる櫛状の構造が存在している、という。これらは、二枝分肢構造に進化するまえの状態を表しているのかもしれない 2)
フルディア
背側から見ると、体前半部は万年筆のペン先にも見える。あるいは、体前半がイカの頭部、体後半がエビのようにも見える。
2017年3月 制作
参考文献・サイト:
  1. Royal Ontario Museum. The Burgess Shale, Fossil Gallery
  2. Van Roy P, Daley AC, Briggs DEG (2015) Anomalocaridid trunk limb homology revealed by a giant filter-feeder with paired flaps. [abstract] Nature 522:77–80. (DOI:10.1038/nature14256.)